はじめに

 「サイエンスコミュニケーション」という言葉を聞いたことはありますか?

 社会には、科学者に問うことはできても科学者のみによって解決することができない、けれども早急な対応が求められる問題というものが存在します。例えば、遺伝子組換え食品を流通させてもいいのか、ヒト胚をゲノム編集してもよいのか、原子力発電を進めていくのか、といった問題です。

 このような問題は、専門的には科学技術が関連する社会的諸問題(トランス・サイエンス、Socio-Scientific Issues)と呼ばれています。このような問題の解決に向けて,様々な利害関係者が科学に関するコミュニケーション,すなわち,サイエンスコミュニケーションが重要であるとされているのです。

 もちろん,日本でも、東日本大震災コロナウイルス感染症禍を中心として、サイエンスコミュニケーションの重要性が指摘されており、理科教育でもサイエンスコミュニケーションを取り入れようとする動きがあります。

 

なぜ理科でサイエンス・コミュニケーション

 →【公開予定】

 

また、サイエンスコミュニケーションのためには、Nature of Science (科学の本質:NOS)の理解も必要であり、こちらも現在、理科教育では重要視されてきています。

 

Nature of Scienceとは?なぜNature of Sciecne?

 →【公開予定】

 

そこで、本ブログでは、理科教育でサイエンスコミュニケーションやNOSを取り入れた(または、意識した)授業作りのための理論と実践を書きためていくことを目的とします。

 

授業実践例

 →【公開予定】

 

皆さんの理科教育の一助となれば幸いです。

 

 

 

【参考文献】

・藤垣裕子(2003)『専門知と公共性:科学技術社会論の構築へ向けて』東京大学出版会

・小林傳司 (2007) 『トランス・サイエンスの時代:科学技術と社会をつなぐ』NHK出版

国立科学博物館(2017)『科学を伝え、社会とつなぐサイエンスコミュニケーションのはじめかた』丸善

・Lederman, N. G. (2007). Nature of Science: Past, Present, and Future. In S. K. Abell, & N. G. Lederman (Eds.), Handbook of Research on Science Education (pp. 831-879). Mahwah, NJ: Lawrence Erlbaum Associates.

・Weinberg, A.,M. (1972) . Science and Trans-science. Minerva, 10, 2, 209-222.